1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

ゴム加工.com コラム

記事公開日

液状シリコーンゴム(LSR)とは?一般のシリコーンゴムとの違いや用途を解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

液状シリコーンゴム(LSR)は、優れた耐久性や成形精度を持つことから、多様な産業分野で注目を集めている素材です。特に高精度な部品製造において欠かせない存在となっています。近年、製造現場では製品の小型化や高性能化が急速に進展しており、従来のゴム素材では対応が困難な精密部品の製造において、液状シリコーンゴムの需要が増加傾向にあります。この記事では、液状シリコーンゴムの基本的な特徴や用途、一般的なシリコーンゴムとの違いについて詳しくご紹介していきます。

液状シリコーンゴムとは?一般的なシリコーンゴムとの違い

液状シリコーンゴムと一般的な固形シリコーンゴムには、主に「製造・加工のプロセス」と「仕上がりの物性・性能」という2つの明確な違いがあります。

製造・加工方法における違い

一般的なシリコーンゴム(ミラブル型シリコーンゴム)は、粘土のような固形状態であり、ロール機などを用いた混練工程を経てからプレス成形や押出成形によって加工されます。
一方、液状シリコーンゴム(LSR:Liquid Silicone Rubber)はその名の通り液状の素材です。専用の射出成形機を用いて金型へ直接注入し、加熱硬化させるプロセスを採用しています。
このため、液状シリコーンゴムは成形工程の自動化やサイクルタイムの短縮が容易であり、大量生産に適していると言えます。
さらに、金型への流動性が極めて高いため、複雑な形状や微細なディテールを持つ部品の成形においても高い精度を発揮します。その結果、後加工の手間を省くことができ、総合的な生産効率の向上に寄与する素材として評価されています。

物性・性能面での違い

固形のシリコーンゴムと比較して、液状シリコーンゴムは架橋(硬化)反応が均一に進行しやすいという特徴を持ちます。その結果、成形後の製品において物性のばらつきが少なく、安定した品質を維持することが可能です。
また、白金触媒を用いた付加反応によって硬化するため、硬化後の寸法収縮率が極めて低く抑えられます。これにより、高い寸法精度が要求される精密部品の材料として非常に有利な選択肢となります。

液状シリコーンゴムの主な種類

液状シリコーンゴムは、作業工程や求める硬化特性に合わせて使い分けができるよう、主に「一液型」と「二液型」の2つのタイプに大別されます。

一液型液状シリコーンゴム

一液型は、主剤と架橋剤があらかじめ混合された状態で提供されるタイプです。空気中の水分と反応して硬化する縮合反応型や、加熱によって硬化する付加反応型などが存在します。混合の手間が省けるため、作業性が高く、接着剤やコーティング材、ポッティング材(封止材)として広く利用されています。ただし、硬化には一定の時間がかかる場合が多く、深部の硬化性に課題が残ることもあります。比較的薄い層の塗布や小規模な充填作業に適していると言えるでしょう。

二液型液状シリコーンゴム

二液型は、主剤(A液)と硬化剤(B液)が別々に分かれており、使用直前にこれらを一定の比率で混合することで硬化反応を開始させるタイプです。液状シリコーンゴム(LSR)の射出成形においては、主にこの二液型の付加反応型が用いられます。混合後の硬化速度は温度によって正確に制御できるため、加熱により短時間で均一に硬化させることが可能です。深部まで確実に硬化する性質を持つため、厚みのある製品や大型部品、複雑な形状の成形品に欠かせない素材となっています。

液状シリコーンゴムが持つ物理的・化学的特性

液状シリコーンゴムは、環境変化に強い耐性を持つだけでなく、化学的、電気的、機械的にも非常に優れた特性を兼ね備えた万能な素材です。

幅広い温度耐性と耐候性

液状シリコーンゴムは、極低温から高温に至るまで、非常に幅広い温度範囲で柔軟性や弾性を維持し続けるという優れた特性を備えています。一般的な有機ゴムが硬化してしまうような低温環境や、劣化が進む高温環境下でも、安定した性能を発揮します。
さらに、紫外線やオゾンに対する耐候性も極めて高く、長期間にわたって屋外の過酷な環境に曝されても、ひび割れや変色といった劣化が生じにくい点も大きな強みです。このため、屋外設備や自動車の外装部品など、環境変化の激しい場所での使用に最適です。

化学的安定性と純度の高さ

シロキサン結合を主骨格とする液状シリコーンゴムは、化学的に非常に安定した構造を持っています。多くの化学物質や溶剤に対して高い耐性を示し、腐食や膨潤を起こしにくい性質があります。
加えて、硬化プロセスにおいて副生成物ガスや不純物の残留がほとんど発生しません。その結果、無味・無臭であり極めて高い純度を誇ります。この純度の高さは、人体や食品に直接触れる用途において、高い安全性を確保するための重要な要素となっています。

電気的特性および機械的特性

優れた電気絶縁性を有していることも、液状シリコーンゴムの重要な特徴の一つです。広い温度範囲や周波数帯域において安定した絶縁性能を示すだけでなく、耐トラッキング性や耐アーク性にも優れています。このため、高電圧が印加される電子機器や電気自動車(EV)の部品として高い信頼性を確保できます。
また、引張強さ、引裂強さ、伸び率といった機械的特性のバランスが良く、繰り返しの圧縮や屈曲に対しても高い耐久性を示します。長期間の連続使用においてもヘタリが少なく、パッキンやシール材としてのシーリング性能を長期間維持することが可能です。

液状シリコーンゴムの用途

液状シリコーンゴムは身近な日用品から高度な安全性が求められる医療・モビリティ分野まで、非常に幅広いシーンで採用されています。

自動車・モビリティ部品

過酷な温度変化に晒されるエンジンルーム内の各種シール材をはじめ、コネクタの防水パッキン、LEDヘッドライトのレンズやガスケットなど、高い耐熱性と耐候性が求められる部位に採用されています。また、EVのバッテリー周辺部品における絶縁材や熱対策部品としても重要な役割を担っています。

電子・通信機器部品

極小サイズの防水パッキンやOリングとして、機器内部への水分や粉塵の侵入を防ぐ役割を果たします。さらに、キーパッドの接点部品やコネクタカバー、基板のポッティング材としても使用され、機器の小型化・薄型化と高い信頼性の両立に貢献しています。

医療・ヘルスケア分野

人体への刺激が少なく、アレルギー反応を引き起こしにくいという特徴から、各種カテーテルや医療用チューブ、人工呼吸器のマスク、コンタクトレンズなどに用いられます。また、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌)などによる厳しい滅菌処理にも耐えられるため、衛生管理が徹底される現場で高い評価を得ています。

食品・日用品関連

キッチン用品としてのスパチュラや製氷皿、食品工場の製造ラインにおけるシール材や搬送ベルトなどに使用されています。また、炊飯器や水筒のパッキン、ベビー用のおしゃぶりなど、直接口に触れる可能性のある製品においても、無味・無臭で衛生的な特性が活かされています。

一般工業・産業機械

精密機械における防振ゴムをはじめ、コピー機やプリンターなどのOA機器に使用されるゴムローラ、各種プラント設備における耐熱・耐薬品性のガスケットやダイヤフラムなどに採用されています。長寿命かつメンテナンス頻度の低減が期待できるため、設備全体の稼働率向上に貢献します。

ゴム・樹脂の最適な加工・選定は「ゴム加工.com」(株式会社第一)へ

液状シリコーンをはじめとするゴム素材は、用途や環境に応じて最適な材料を選定し、適切な加工を施すことが極めて重要です。しかし、数ある素材の中から自社の要件に完全に合致するものを見つけ出し、精密な加工を実現することは悩ましい課題ではないでしょうか。

そのようなお悩みをお持ちであれば、ぜひ「ゴム加工.com」(運営:株式会社第一)にご相談ください。
当社では、天然ゴムや合成ゴム、そして今回ご紹介したシリコーンゴムなど、多岐にわたるゴム関連素材を取り扱っております。お客様の直面するあらゆる課題に即応し、最適な素材選定のアドバイスから高精度な加工までを一貫してサポートいたします。

パッキンやガスケット、Oリングはもちろんのこと、ゴムローラ、ゴムシート、ゴム板など、多様なゴム製品の加工に豊富な経験と技術を持っています。さらに、ゴムだけでなく、テフロンやウレタンをはじめとする各種樹脂製品の取り扱いもございます。ゴムと樹脂、それぞれの特性を熟知した専門家が、お客様の製品開発や課題解決に向けた最適なソリューションをご提案いたします。

どんな些細なご要望やご相談でも構いません。ゴムや樹脂の加工・選定に関することは、プロフェッショナルである私たちにお任せください。

まとめ

液状シリコーンゴム(LSR)は、一般的な固形シリコーンゴムと比較して、自動化や精密成形が容易な素材です。その優れた耐熱性、耐候性、化学的安定性、そして高い安全・衛生性は、自動車、電子機器、医療、食品、一般工業など、あらゆる産業で求められる厳しい基準をクリアしています。製品の小型化・高性能化が進む現代の製造業において、液状シリコーンゴムの活用はますます重要な意味を持つでしょう。自社の製品開発に最適な素材をお探しの際は、専門的な知見を持つ加工メーカーへの相談が成功への近道と言えます。

企画・設計段階から専門家へ相談

材料選定や複雑な加工方法にお悩みですか?企画段階から量産まで、豊富な知識と経験に基づいた最適なソリューションをご提案します。
企画・設計段階から専門家へ相談
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Contact

お問い合わせ

ゴムには色々な種類があり、それぞれに特性があります。
使用する用途や環境条件に応じて、適切な素材と加工法の選定が求められます。

最適なご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※法人のお客様に限らせていただいております。

お電話でのお問い合わせ

03-3433-2551

9:00~17:00 ※土日・祝日除く