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【用途・素材別】ゴムマット・ゴムシートの最適な選び方を詳しく解説

ゴムマットやゴムシートは、製造業における機械設備の防振から、作業現場の安全対策まで幅広く活用される部材です。
近年、産業機器の高性能化や労働環境の改善に伴い、耐熱性や耐油性といった使用環境に応じた最適な素材選定と、精密な加工技術へのニーズが高まっています。
この記事では、ゴムマット・ゴムシートの種類や用途、最適な選び方をご紹介していきます。
ゴムマットとゴムシートの違いとは?
ゴム素材を調達・選定する際、「ゴムマット」と「ゴムシート」という二つの名称が使われますが、これらの明確な定義や違いに戸惑う方も少なくないようです。基本的にはどちらも板状のゴム製品を指しますが、一般的には「厚み」と「使用目的」によって呼び分けられる傾向があります。
ゴムマット
ゴムマットは、10ミリ以上の厚みを持つものが多く、それ自体を「敷く」ことを主目的とした製品を指す傾向にあります。工事現場の養生、重量物の下敷き、施設の床材など、強い衝撃や荷重に耐える必要がある場面で活躍します。表面に滑り止めのエンボス(凹凸)加工が施されているものも多数存在します。
ゴムシート
一方ゴムシートは、数ミリ程度の比較的薄いものが多く、ロール状で提供されることが一般的です。必要なサイズにカットして、パッキンやガスケットなどの部品材料として使用したり、広範囲の床や作業台に敷き詰めたりする用途に適しています。薄いため加工がしやすく、多様な形状に打ち抜くベース素材として重宝されます。
ゴムマット・ゴムシートの長所(他の素材の違い)
ゴム以外にも金属、樹脂(プラスチック)、木材など様々な素材が選択肢に挙がります。その中で、ゴム素材を採用するのには明確な理由があります。
対 金属(鉄・ステンレスなど)
- 軽量性: 金属に比べて非常に軽く、運搬や現場での設置作業の負担を大幅に軽減できる。
- 耐食性・非サビ性: 水分や酸素に触れても酸化(サビ)が発生せず、水回りや屋外環境でも長期間性能を維持できる。
- 緩衝性・衝撃吸収力: 柔軟性があるため、対象物を傷つけず、金属同士の衝突による騒音や破損を防ぐ緩衝材として機能する。
- 防振性: 機械の振動を吸収し、周囲への振動伝達を抑える(金属にはない特性)。
対 樹脂(プラスチック・アクリルなど)
- 優れたグリップ力(防滑性): 表面の摩擦係数が高く、対象物をしっかり保持するため、滑り止めや搬送ローラーの素材として最適。
- 割れにくさ(耐衝撃性): 弾力性と復元力があるため、強い力で曲げたり圧力をかけたりしても、樹脂のように割れる(クラックが入る)心配がほとんどない。
対 木材・布(合板・フェルトなど)
- 圧倒的な耐水性・非吸水性: 液体を内部に吸収しないため、水や油が染み込まず、腐食やカビの発生を防ぐことができる。
- 衛生面とメンテナンス性: 水洗いや拭き取りによる清掃が容易であり、クリーンな環境を保ちやすい。
- 完全な密閉力(シール性): 柔軟に潰れて隙間に密着するため、多孔質の布や木材、あるいは硬い樹脂では不可能な、水・油・気体の漏れを完全に防ぐパッキンやガスケットとしての役割を果たせる。
【用途別】ゴムマット・ゴムシートの活用シーン
ゴムが持つ弾力性、防滑性、耐久性は、製造業や関連産業のあらゆる場面で活躍しています。ここでは、代表的な活用シーンについて解説します。
駐車場やガレージ・屋外のぬかるみ対策
屋外の駐車場やガレージ、あるいは工事現場への仮設通路など、未舗装の地面では雨天時のぬかるみが大きな課題となります。ぬかるみは車両のスタックや歩行者の転倒事故を招く危険性があります。このような場所に厚手で頑丈なゴムマットを敷き詰めることで、地盤を安定させ、安全な通行を確保できます。屋外での使用が前提となるため、紫外線や温度変化に強い耐候性を持つ素材や、コストパフォーマンスに優れたリサイクルゴムが多く選ばれる傾向にあります。
ジムや体育館など屋内施設の床面保護・衝撃吸収
フィットネスジムやスポーツ施設、学校の体育館などでは、重いトレーニング器具の設置や落下による床面の破損を防ぐ必要があります。また、器具を落とした際の騒音が階下や周囲に伝わるのを防ぐことも重要です。高密度のゴムマットを敷設することで、優れた衝撃吸収性を発揮し、建物のダメージと騒音の発生を同時に抑えることが可能となります。屋内利用のため、特有のにおいが少ない素材を選ぶ配慮も求められます。
トラックの荷台・運搬時の荷物滑り止め
物流・運送業界や、自社で資材を運搬する製造業において、トラックの荷台に敷くゴムマットは必需品です。走行中の振動や急ブレーキによって荷崩れが起きると、積載物の破損だけでなく重大な事故に繋がる恐れがあります。ゴム特有の高いグリップ力(摩擦力)を利用することで、荷物をしっかりと固定し、安全な輸送をサポートします。同時に、重い鋼材や機械部品を積み下ろしする際の荷台の傷つきを防ぐ緩衝材としての役割も果たします。
工場や作業現場における疲労軽減・安全対策
製造ラインや組み立て現場など、作業員が長時間立ったまま業務を行う環境では、足腰への疲労蓄積が労働生産性の低下や思わぬ事故を招く要因となります。クッション性の高いゴムシートを作業エリアの床に敷くことで、体への負担を効果的に和らげることが可能です。さらに、油や水が飛散しやすい機械加工の現場などでは、耐油性と防滑性を備えたシートを導入することが、転倒事故を防ぐ重要な安全対策となります。
産業機器や機械設備の防振対策
工場内で稼働するプレス機、コンプレッサー、大型モーターなどの産業機器は、運転時に大きな振動を発生させます。この振動が建屋に伝わると騒音問題となるほか、周囲の精密な測定機器などの誤作動を引き起こす原因にもなります。機械の足元やマウント部分に防振用のゴムマットやゴムシートを挟み込むことで、振動エネルギーを吸収し、周囲への影響を最小限に抑えられます。厚みや硬度の適切な選定が鍵となります。
【素材別】主なゴムマット・ゴムシートの種類と特徴
ゴムと一言で言っても、その原料(ポリマー)によって特性は大きく異なります。使用環境に合わない素材を選んでしまうと、早期の劣化や破損に繋がります。ここでは、代表的なゴム素材の特徴を解説します。
天然ゴム(NR)
ゴムの木の樹液を主原料とする、古くから広く使われている素材です。引張強度や引き裂き強度、耐摩耗性に優れており、高い弾力性としなやかさを持ちます。一方で、耐熱性や耐油性、耐オゾン性(耐候性)には劣るため、直射日光の当たる屋外や、機械油がかかる環境での長期間の使用には不向きです。特殊な耐性が不要な屋内での一般的な緩衝材や敷ゴムとして、コストを抑えたい場合に適しています。
ニトリルゴム(NBR)
アクリロニトリルとブタジエンの共重合によって作られる合成ゴムです。最大の特徴は、優れた「耐油性」にあります。鉱物油や燃料油に触れても膨潤や劣化を起こしにくいため、自動車部品や工作機械周辺の環境において非常に需要が高まっています。耐摩耗性も良好ですが、耐候性にはやや劣ります。油が飛散する工場内の床シートや、機械内部のオイルシール、パッキンなどの材料として第一選択となる素材です。
クロロプレンゴム(CR)
耐候性、耐オゾン性、耐熱性、耐油性、難燃性など、様々な特性をバランス良く備えた万能型の合成ゴムです(ネオプレンという名称でも知られています)。突出した一つの性能を持つわけではありませんが、優れた難燃性を含め、幅広い環境で安定した性能を発揮します。このため、屋外で使用される設備の防振マットや、使用環境が複合的で特定の条件を絞りきれない場合の工業用パッキン材料などとして幅広く活用されています。
エチレンプロピレン(EPDM)
エチレンとプロピレンを主成分とする合成ゴムで、高い耐候性、耐オゾン性、耐熱性、耐寒性を誇ります。長期間屋外の紫外線や雨風にさらされても、ひび割れなどの劣化が起きにくいのが強みです。屋外向けのパッキンや、屋根の防水シート、屋外配管の保護などに最適です。ただし、耐油性はほとんどないため、油に触れる環境での使用は避ける必要があります。
リサイクルゴム(再生ゴム)
廃タイヤなどのゴム製品を粉砕し、再結合させて製造される環境配慮型の素材です。タイヤ由来の強靭な耐摩耗性を持ち、新品のゴム素材と比較して大幅にコストを抑えられるため、導入事例が増加傾向にあります。前述した工事現場の養生や屋外駐車場の仮設マットなどに最適です。ただし、特有のにおいがある点や、色移り(カーボン移行)の可能性があるため、屋内のクリーンな環境や色移りを嫌う床面での使用には注意が必要です。
最適なゴムマット・ゴムシートの選び方
素材の特徴を理解したうえで、実際に製品を選定・調達する際の5つのポイントをご紹介します。
1. 用途に合った厚みを選ぶ
厚みは、耐久性、クッション性、そして重量を決定づける要素です。歩行用の通路や軽作業エリアであれば、3mm〜5mm程度の薄手で十分な効果を発揮します。しかし、重機が通行する場所や、重量のある機械の防振用途であれば、10mm〜20mm以上の厚みが必要となるでしょう。薄すぎるとすぐに破れてしまい、厚すぎると重量が増して設置作業の負担や輸送コストの増加に繋がります。
2. 必要なサイズと加工のしやすさ
敷き詰める面積や、部品として切り出す際の歩留まりを考慮してサイズを決定します。広い面積を覆うなら長尺のロールタイプが適していますが、設置の手間を考慮する必要があります。また、自社でカッター等を用いて自由な形状にカットしたい場合は薄手のシートを選ぶ必要があります。厚みがあるものや複雑な形状が必要な場合は、専用の設備を持つ加工業者へプレカットを依頼するほうが、結果的にコストと手間の削減に繋がります。
3. 滑り止め(エンボス加工)の有無
安全対策として床に敷く場合、表面の形状が重要です。水や油で滑りやすい環境や傾斜地では、表面に凹凸(エンボス)加工が施された滑り止めタイプが必須となります。その結果、転倒リスクを大幅に軽減できます。一方で、台車を頻繁に走らせる場所や、精密な作業を行う台の上などでは、凹凸が邪魔になるためフラットな表面のシートを選ぶべきです。
4. 屋内使用ならにおいにも注意
ゴム製品、特にリサイクルゴムや一部の合成ゴムは、製造過程に由来する特有のにおいを発することがあります。風通しの良い屋外や大規模な工場であれば問題になりにくいですが、密閉された室内の施設や、においが製品に影響を与える可能性のある倉庫などでは注意が必要です。屋内用途の場合は、低臭タイプのゴムや天然ゴムなど、環境に配慮した選択が求められます。
5. 使用環境(耐熱・耐油・耐候など)と適切な硬度の見極め
ゴムが晒される環境(温度、油の有無、屋内外など)を正確に把握し、前述の「素材別の特徴」と照らし合わせて最適な材質を選定します。また、ゴムの「硬度(硬さ)」も重要な設計要素です。隙間を密閉するパッキン用途であれば柔らかく変形しやすい低硬度のものが適しており、重量物を支える防振用途であれば沈み込みの少ない高硬度のものが求められます。
当社がご提案・加工できるゴムマット・ゴムシートの代表的な製品例
高品質なゴム製品の提供を通じて、多様な産業をサポートする当社で取り扱いのある代表的な製品ラインナップをご紹介します。
工業用ゴムシート(汎用・高機能)
機械内部の緩衝部品やシール材など、各種部品製作のベースとなる新品の合成ゴムシートです。耐油・耐熱といった厳しいスペックが要求される工業用途に最適です。
天然ゴム(NR)をはじめ、NBR、EPDM、CR、シリコーンゴムなど多様な材質を取り揃えており、厚みは0.5mmの極薄サイズから100mmのブロック材まで、用途に応じた素材選びが可能です。
リサイクルゴムマット(ブラックターフシリーズ)
廃タイヤを原料とした再生ゴムを使用し、高い耐摩耗性と耐久性を備えた環境配慮型のマットです。工事現場の養生、イベント会場の仮設通路、畜産施設の床材など、広範囲の路面保護を低コストで実現します。厚みは5mm〜20mmで展開しており、滑り止め効果の高い「凹凸ありタイプ」と、引っ掛かりを防ぐ「フラットタイプ」をご用意しています。
詳細な製品ラインナップや仕様につきましては、以下のページをご覧ください。
詳細はこちら:工業用ゴムシート・リサイクルゴムマットの商品例
ゴムマット・ゴムシートの選定・加工なら「ゴム加工.com」へ
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当社では、天然ゴムや各種合成ゴム(NBR、EPDM、シリコーンなど)の幅広い素材ラインナップを取り揃えております。専門知識を持ったスタッフが、お客様の使用環境や課題をヒアリングし、最適な素材選定をサポートいたします。
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ゴムから樹脂まで一貫対応によるスムーズな調達の実現
機械設備の設計においては、ゴム製品だけでなく樹脂部品が必要となるケースも多数存在します。当社では、テフロン(フッ素樹脂)やウレタンをはじめとする高機能な樹脂製品の取り扱い・加工も幅広く行っております。
ゴムと樹脂、それぞれの素材特性を熟知しているからこそ、適材適所の使い分けをご提案できます。部品調達の窓口を一本化することで、購買・調達担当者様の発注業務の手間を削減し、スムーズで効率的な部材調達の実現に貢献いたします。
素材選びに迷われた際や、複雑な加工図面をお持ちの場合は、まずは一度お気軽にお問い合わせください。
まとめ
ゴムマットやゴムシートは、素材の選び方一つで耐久性や安全性が大きく変わる工業資材です。設置場所が屋内外どちらか、油や熱にさらされるかといった環境条件を整理し、NR、NBR、EPDMなどの材質特性を理解することが選定の第一歩となります。さらに、用途に応じた厚み、サイズ、硬度、表面形状を適切に指定することで、製品の品質向上や現場の安全性確保に繋がります。
自社での選定や加工が難しい場合は、パッキンから樹脂製品まで幅広く対応可能な専門の加工業者に相談することが課題解決の近道と言えるでしょう。
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