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ゴム加工.com コラム

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RTVゴム(室温硬化型シリコーンゴム)とは?特徴・種類・用途を徹底解説

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優れた耐熱性や電気特性を持ち、加熱設備なしで硬化する「RTVゴム(室温硬化型シリコーンゴム)」。製造現場の接着やシール材として欠かせない素材ですが、「1液型と2液型のどちらを選ぶべきか?」「付加反応と縮合反応の違いは?」など種類が多岐にわたるため、最適な選定に悩む声も少なくありません。
本記事では、RTVゴムの基本的な特徴や種類別の選び方、現場で起きやすい硬化トラブルの対策までを網羅的に解説。パッキンなどの部品加工や樹脂製品も含め、自社に最適な素材を見極めるためのヒントをご紹介します。

RTVゴム(室温硬化型シリコーンゴム)とは?

RTVとは「Room Temperature Vulcanizing」の頭文字をとった略称です。「Room Temperature」は室温や常温を意味し、「Vulcanizing」は加硫(ゴムに弾性を持たせるための架橋反応)を指します。つまり、RTVゴムとは「室温でそのまま放置しておくだけで液状やペースト状から弾力のあるゴム状へと硬化するシリコーンゴム」のことです。特別な加熱設備を用意しなくても自然に固まる性質を持つため、現場での作業性が非常に高い素材として知られています。

通常のゴムや加熱硬化型(HTV)との違い

一般的なシリコーンゴムの多くは、高温で加熱して硬化させる加熱硬化型(HTV:High Temperature Vulcanizing)です。HTVは金型を用いてプレス成形や押し出し成形を行うのに適していますが、大がかりな加熱設備と金型が必要になります。
一方のRTVゴムは、加熱工程が不要です。常温環境下で空気中の水分と反応したり、2つの液を混ぜ合わせたりするだけで硬化します。その結果、熱に弱い電子部品の周辺や、設備を持ち込めない建築現場などでも容易に施工できるという大きな利点を持っています。

RTVゴムの特徴・メリット

RTVゴムは、シリコーン特有の優れた性質をそのまま引き継いでいます。製造現場で選ばれる主な理由は以下の5点に集約されます。

優れた耐熱性・耐寒性

一般的な有機ゴム(天然ゴムやウレタンゴムなど)は、高温環境下で劣化しやすく、低温下では硬く脆くなる傾向があります。しかし、RTVゴムは分子構造が安定しているため、-50℃の極寒から200℃を超える高温まで、幅広い温度領域でゴムとしての弾力性を維持します。

良好な電気絶縁性

電気を通しにくい性質(電気絶縁性)に優れており、さらに温度や湿度の変化による影響を受けにくいのが特徴です。このため、電子基板のコーティングや、高電圧が掛かる電気部品の絶縁シール材として非常に高い信頼性を誇ります。

耐候性・耐オゾン性

紫外線やオゾン、風雨に長期間さらされても、ひび割れや変色といった劣化がほとんど進行しません。その結果、屋外の過酷な環境で使用される建築物の目地材や、太陽光発電パネルのシール材など、長期的な耐久性が求められる場面で重宝されます。

離型性と非粘着性

硬化したRTVゴムの表面は、他の物質がくっつきにくい非粘着性を持っています。この特性を活かし、樹脂やウレタンなどの複製品を作る際の「型取り用素材」として非常に優れています。精巧なマスターモデルの形状を正確に転写しつつ、硬化後にはスムーズに剥がすことができます。

柔軟性と衝撃吸収性

硬化後も適度な柔軟性を保ち続けるため、外部からの振動や衝撃を効果的に吸収します。熱膨張率の異なる異種素材を接着した際にも、温度変化によって生じる応力(ひずみ)を柔らかいゴム層が緩和するため、部品の破損や剥がれを防ぎます。

【包装形態別】RTVゴムの2つの種類

RTVゴムは、主に製品の包装形態によって「1液型」と「2液型」の2つに大別されます。用途や作業環境に合わせて適切なタイプを選ぶことが不可欠です。

1液型RTVゴム

空気中の湿気と反応して硬化するメカニズム

1液型は、チューブやカートリッジの容器から押し出すだけでそのまま使用できるタイプです。空気に触れると、空気中に含まれる湿気(水分)と表面から反応を起こし、徐々に内部に向かって硬化が進行していきます。

1液型のメリット・デメリット

最大の魅力は、計量や撹拌(かくはん)の手間が一切かからない作業性の高さです。専用のコーキングガンなどを使えば、誰でも簡単に塗布できます。
反面、空気中の湿気が届きにくい場所や、密閉された空間では内部まで硬化しないという弱点があります。深いすき間の充填や、厚みのあるポッティング(注型)には不向きです。

1液型が適している作業シーン

  • 薄膜でのコーティングや表面保護
  • 隙間や目地への線状のシーリング(充填)
  • 簡易的な接着や固定

2液型RTVゴム

主剤と硬化剤(触媒)を混ぜて硬化するメカニズム

2液型は、「主剤」と「硬化剤(または触媒)」の2つの液を、指定された比率で混ぜ合わせることで化学反応が始まり、硬化するタイプです。

2液型のメリット・デメリット

湿気に依存せず、混ぜ合わせた液の全体で均一に硬化反応が進むため、深部まで確実に固まるのが最大の特徴です。密閉空間や厚みのある形状でも問題なく使用できます。
デメリットとしては、使用前に正確な計量と丁寧な撹拌作業が必須となる点が挙げられます。混合比率を間違えたり、撹拌が不十分だったりすると、硬化不良を引き起こす原因となります。

2液型が適している作業シーン

  • 深部まで完全に固める必要がある厚手の注型(ポッティング)
  • 高い寸法精度が求められる複雑な型取り
  • 大型部品の製造や密閉空間での使用

【硬化反応別】RTVゴムの分類と選び方

2液型RTVゴムを中心に、硬化時の化学反応のメカニズムによってさらに細かく分類されます。用途に応じた最適な反応タイプを選ぶことが、製品の品質を左右します。

付加反応型(Addition Cure)の特徴

主剤と硬化剤を混ぜ合わせることで架橋反応が進むタイプです。硬化の過程でガスなどの副生成物が一切発生しないため、硬化後の体積収縮が極めて小さく、寸法安定性に優れています。精巧な型取りや、密閉状態での硬化が求められる用途に最適です。ただし、特定の化学物質に触れると硬化不良を起こしやすい(硬化阻害)という繊細な面も持ち合わせています。(※硬化阻害の原因と対策については、後述の「よくあるトラブル」の項目で詳しく解説します)

縮合反応型(Condensation Cure)の特徴

硬化する際に、アルコールやオキシム、酢酸などの副生成物(ガス)を放出しながら架橋するタイプです。1液型の多くと、一部の2液型がこの反応方式に該当します。付加反応型に比べて硬化阻害が起きにくく、取り扱いが容易でコストパフォーマンスに優れるという利点があります。その結果、建築用のシーリング材や一般的な工業用接着剤として広く普及しています。

その他の特殊なタイプ(UV硬化型など)

近年では、紫外線を照射することで数秒から数十秒という極めて短時間で硬化する「UV硬化型シリコーン」などの特殊なタイプも登場しています。製造ラインの自動化や、タクトタイム(製造時間)の大幅な短縮が求められる最先端の電子部品工場などで導入が増加傾向にあります。

【業界・分野別】RTVゴムの主な用途

電子・電気機器

スマートフォンや車載用電子回路などの分野では、湿気やホコリ、振動から精密な基板を守るためのポッティング材やコンフォーマルコーティング材として欠かせない素材です。放熱性(熱伝導性)を付与したRTVゴムは、発熱する部品の冷却対策としても利用されます。

自動車・モビリティ

エンジン周りやトランスミッションの接合部を密閉するFIPG(Form-In-Place Gasket:液状ガスケット)として多用されています。あらかじめ成形された固形のゴムパッキンを使用する従来の方式に比べ、ロボットによる自動塗布が可能となるため、製造コストの削減と作業の効率化に大きく貢献しています。

建築・土木

高層ビルの窓ガラスや外壁パネルの目地を埋めるシーリング材(コーキング材)として、耐候性に優れるRTVゴムが選ばれています。長期間の風雨や紫外線にさらされても弾力を失わず、建物の防水性や気密性を維持します。

美術工芸・試作品製造

フィギュアやアクセサリー、工業用パーツの試作品などを複製する際の「シリコーン型」として、寸法精度の高い付加反応型の2液型RTVゴムが活躍しています。複雑なアンダーカット(逆テーパー)を持つ形状でも、ゴムの柔軟性を活かして壊さずに型から取り出すことが可能です。

RTVゴムを使用する際の注意点・よくあるトラブル

RTVゴムを扱う上で、現場で起きやすいトラブルとその対策を把握しておくことが重要です。

硬化阻害(未硬化トラブル)の原因と対策

特に付加反応型のRTVゴムを使用する際、触媒となる白金成分が特定の物質と接触することで反応が阻害され、いつまで経ってもベタベタした未硬化の状態になる現象です。
原因となる主な物質には、硫黄化合物(天然ゴムなど)、リン化合物、アミン類、一部の軟質塩化ビニルなどがあります。対策としては、作業環境からこれらの阻害物質を遠ざけるか、事前にテスト硬化を行って影響の有無を確認することが必須です。

低分子シロキサンによる接点障害のリスク

シリコーンゴムの内部には、揮発しやすい微量な「低分子シロキサン」が含まれています。これが密閉されたリレーやモーターの接点付近で揮発・付着し、電気エネルギーによって絶縁性の酸化ケイ素へと変化すると、電気の導通不良(接点障害)を引き起こす恐れがあります。
電気接点の近くでRTVゴムを使用する場合は、あらかじめ低分子シロキサンを取り除いた「低接点障害(シロキサン低減)タイプ」を選定することが推奨されます。

保存条件と使用期限

1液型のRTVゴムは空気中の湿気と反応するため、開封後はもちろん、未開封であっても容器を透過する微量な湿気の影響で徐々に劣化が進行します。このため、冷暗所で保管し、メーカーが定める使用期限内に使い切ることが基本です。期限を過ぎた製品は、硬化時間が極端に長くなったり、本来の物理特性が得られなくなったりするリスクがあります。

自社に最適なRTVゴムを選ぶためのチェックポイント

数ある製品の中から、自社の用途に最も適したRTVゴムを選定するための基準をまとめました。

1. 硬化条件の確認

塗布してから硬化が始まるまでの時間(可使時間・ポットライフ)と、完全に固まるまでの時間を把握します。自動機で連続塗布する場合は1液型が適していますが、深部まで素早く硬化させる必要がある場合は2液型を選択します。

2. 必要な物理特性の選定

硬化後のゴムが、どの程度の硬さ(硬度)を必要とするか、どのくらい伸びる必要があるかを検討します。振動吸収が目的ならば柔らかい低硬度タイプを、構造的な強度を補うならば高硬度で引張強さの高いタイプが求められます。

3. 周辺環境への影響

密閉空間で使用するか、電気接点が近くにあるかを確認します。腐食を嫌う金属部品の周辺では、酢酸などの酸性ガスを放出しない「脱アルコール型」や「脱アセトン型」などを選びます。また、前述の通り電気接点が近くにある場合は、接点障害を防ぐために「シロキサン低減タイプ」を指定することが重要です。

4. 接着性の有無

RTVゴム自体に強力な接着力を持たせたタイプ(自己接着型)と、接着性がなく型取りやポッティングに適したタイプがあります。特定の金属や樹脂に強固に接着させたい場合は、表面処理用の専用プライマーを併用する必要があるかどうかも事前に確認します。

まとめ:RTVゴムの特性を正しく理解し、最適な製品選定を

RTVゴム(室温硬化型シリコーンゴム)は、耐熱性や電気特性に優れ、加熱設備が不要という高い作業性から、電子機器、自動車、建築など多岐にわたる産業で不可欠な素材となっています。1液型と2液型、付加反応と縮合反応など、それぞれの特性や硬化メカニズムの違いを正しく理解することが、製造現場でのトラブルを防ぎ、製品の品質を高める第一歩です。

一方で、ゴム素材の加工や選定においては、RTVゴム以外にも天然ゴムや各種合成ゴム、さらにはテフロンやウレタンといった樹脂素材まで、幅広い選択肢の中から最適なものを見極める専門的な知見が求められます。

もし、パッキンやガスケット、Oリング、ゴムローラ、ゴムシートなどの部品加工や、自社製品に最適な素材の選定でお悩みの場合は、ぜひ専門家にご相談ください。「ゴム加工.com」では、ゴムのあらゆる課題に即応し、高精度加工から素材提案までをワンストップでサポートいたします。各種樹脂製品の取り扱いにも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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