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CSM(ハイパロン)とは?特徴・メリット・用途を解説

屋外で使用しているゴム部品が、紫外線や雨風によってすぐにひび割れてボロボロになってしまった経験はありませんか?あるいは、酸やアルカリといった薬品を扱う環境で、劣化しないゴム素材を探してはいないでしょうか。そんな過酷な条件をクリアする優秀な合成ゴムが「CSM(通称:ハイパロン)」です。
「ハイパロン」という名前で古くから親しまれてきたこの素材は、優れた耐候性や耐薬品性を持ち、建材からレジャー用品、工業用ホースまで幅広い分野で活躍しています。しかし、素材の特性を正しく理解せずに選定してしまうと、環境とのミスマッチにより思わぬトラブルを招くこともあります。
この記事では、CSM(ハイパロン)の基本的な特徴やメリット・デメリット、具体的な用途を分かりやすく解説します。あわせて、使用環境に適した素材選びのコツと、思い通りの形状に仕上げる高精度加工のポイントをご紹介していきます。
CSM(ハイパロン)とは?
過酷な環境下で重宝されるCSMですが、まずはどのような成り立ちの素材なのか、大枠と、なぜ「ハイパロン」と呼ばれているのかを解説します。
正式名称はクロロスルホン化ポリエチレンゴム
CSMは、正式名称を「クロロスルホン化ポリエチレンゴム(Chlorosulfonated Polyethylene)」と呼ぶ合成ゴムの一種です。プラスチックの仲間であるポリエチレンをベースに、塩素と亜硫酸ガスを化学反応させることで作られます。
分子の構造内に、紫外線やオゾンによって破壊されやすい「二重結合」をほとんど持たないため、化学的に非常に安定しており、外部からのダメージに極めて強いという特性を生み出しています。
「ハイパロン」はデュポン社の商品名に由来する呼び名
一般的に「ハイパロン」という名称で広く知られていますが、実はこれはアメリカの化学メーカーであるデュポン社が開発・販売していた際の商品名(商標)です。
長年にわたりこの名前で親しまれてきたため、現在でも建設現場や製造業において「ハイパロン」や「ハイパロンゴム」という通称が使われています。なお、デュポン社はすでに製造を終了しており、現在は日本の東ソー株式会社などが「TOSO-CSM®」といったブランド名で製造を引き継ぎ、世界中へ供給しています。
CSM(ハイパロン)の主な特徴とメリット
CSM(ハイパロン)が多様な産業や日用品に採用される理由は、他のゴムには真似できない優れた耐久性と使い勝手の良さにあります。
紫外線やオゾンに負けない「優れた耐候性」
最大の強みは、太陽光(紫外線)や雨風、空気中のオゾンに対する圧倒的な強さである「耐候性・耐オゾン性」です。一般的な天然ゴムやニトリルゴム(NBR)を屋外に放置すると、数年で表面に亀裂(クラック)が入り劣化してしまいますが、CSMは屋外で長期間使用し続けても品質がほとんど低下しません。
酸やアルカリなどの薬品に強い「耐薬品性」
化学的な安定性が高いため、酸やアルカリといった強い薬品に触れても溶けたり変質したりしにくい「耐薬品性」を備えています。とくに、硫酸や硝酸といった強力な無機酸に対しても高い耐性を示すため、化学工場や薬品を扱う施設の設備部品として非常に頼りになる存在です。
色落ちしにくく、鮮やかな着色が可能な「着色性」
ゴムといえば「黒」をイメージしがちですが、CSMは鮮やかな色に着色しやすいという特徴を持っています。さらに、日光に当たっても色が褪せにくい(退色しにくい)ため、カラーバリエーションが求められるレジャー用品や、建物の景観を損ねないカラー防水シートなど、デザイン性が重視される場面で重宝されます。
一般的なゴムより優れた「耐熱性・難燃性」
耐熱性にも優れており、120℃前後の高温環境下でも安定して使用することが可能です。また、成分内に塩素を含んでいるため、火を近づけても燃え広がりにくい「自己消火性(難燃性)」を持っています。火災のリスクを抑えたい建材や電線の被覆材などに適した、安全性の高い素材です。
CSM(ハイパロン)のデメリットと注意点
屋外や薬品環境では万能に思えるCSMですが、物理的な特性においていくつか注意すべき弱点があります。
極端な寒さには弱く、低温で硬化しやすい
耐熱性に優れる一方で、極端な寒さには弱いというデメリットがあります。マイナス20℃を下回るような低温環境では、ゴムが硬くなって柔軟性を失いやすくなります。寒冷地での使用や、冷凍庫内で使用するパッキンなどには不向きなケースがあります。
圧縮永久歪み(変形からの回復力)は他のゴムに劣る
「圧縮永久歪み(あっしゅくえいきゅうひずみ)」とは、ゴムを長時間強く押しつぶした後に、元の形状に戻ろうとする力の弱さ(へたりの大きさ)を表す指標です。CSMはこの圧縮永久歪みが、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどと比較して大きいため、常に強い圧力がかかり続ける精密なパッキンやシール材として使用すると、時間とともに隙間が生じて漏れの原因になるリスクがあります。
CSM(ハイパロン)の主な用途
優れた耐候性と耐薬品性、着色性を活かし、CSMは私たちの身の回りの様々な場所で使用されています。
建築・土木分野:屋根の防水シートやエスカレーターのハンドレール
長期間の直射日光や風雨に耐える必要がある建物の屋上用「防水シート」として大活躍しています。また、デパートや駅にある「エスカレーターのハンドレール(手すり)」も、多くがCSMで作られています。色鮮やかに着色でき、多くの人が毎日触れても劣化しにくいため最適です。
レジャー・日用品分野:ゴムボートやライフジャケット
鮮やかなカラーリングが可能で、水や日光に強い特性は、マリンスポーツやレジャー用品にぴったりです。空気を入れて膨らませる「ゴムボート」の素材として非常に有名であり、摩擦や水濡れに強い「ライフジャケット」の生地コーティングなどにも使用されています。
工業・インフラ分野:化学工場の耐薬品ホースや電線の被覆材
薬品を安全に輸送するための「耐薬品ホース」や、タンクの内面を保護するライニング材として、化学工場などで不可欠な存在です。また、屋外に設置される高圧電線やケーブルの「被覆材」としても、耐候性と難燃性を活かして広く採用されています。
用途に合わせた加工と選び方のポイント
CSM(ハイパロン)を製品や部品として導入する際は、以下のポイントを押さえて最適な加工や選定を行うことが重要です。
環境条件(薬品の種類、温度、屋外かどうか)の正確な把握
素材選定の基本は、使用環境の正確な把握です。どのような薬品(濃度や種類)に触れるのか、最高・最低温度は何度になるのか、常に屋外で使用するのかなどを事前に確認してください。CSMが適しているか、あるいは他の素材(EPDMやフッ素ゴムなど)の方が適しているかを見極める重要な基準となります。
用途に合わせて選べる「ゴムシート」や「ゴム板」
必要なサイズにカットして、屋外機器のクッション材や保護マットとして使える「ゴムシート・ゴム板」は、現場で非常に使い勝手の良い製品形態です。着色性を活かして、作業スペースごとに色分けしたシートを使用するといった工夫も可能です。
「パッキン・Oリング」としての使用時の硬度選定
配管や機器の隙間を塞ぐ「パッキン・Oリング」として使用する場合は、デメリットである「圧縮永久歪みの大きさ」に注意が必要です。漏れを防ぐためには、対象物にしっかりと密着する適切な「硬度(硬さ)」を緻密に選定し、過度な締め付けを避けるといった設計上の配慮が求められます。
CSM(ハイパロン)の加工や素材選びは株式会社第一の「ゴム加工.com」へ
優れた特性を持つCSM(ハイパロン)ですが、その性能を最大限に引き出すためには、適切な素材選定と確かな加工技術が欠かせません。「どの素材を選べばいいか分からない」「複雑な形状に加工してほしい」というお悩みは、株式会社第一が運営する「ゴム加工.com」へお任せください。
パッキン、ガスケットからゴムローラまで高精度加工で即応
私たちは、小さなOリングやガスケット、パッキンをはじめ、工業用のゴムローラ、ゴムシート、ゴム板に至るまで、多様なゴム製品の加工を手掛けています。伸縮しやすく寸法の出しにくいゴム素材に対して、長年培ったノウハウによる「高精度加工」を実現。厳しい公差が求められる部品でも、正確かつスピーディーにお届けします。
天然・合成ゴムのあらゆる課題を最適な素材選定から解決
「今の部品が薬品ですぐボロボロになる」「屋外でも長持ちする素材に変えたい」といった課題に対し、私たちは天然ゴムからCSMをはじめとする各種合成ゴムまで、あらゆる素材の特性を熟知しています。お客様の実際の使用環境を詳細にヒアリングし、数ある選択肢の中から「最適な素材」をご提案することで、製品の長寿命化とコストダウンをサポートします。
テフロンやウレタンなど、樹脂製品の取り扱いも豊富
当社の対応力はゴムだけにとどまりません。さらに高い耐薬品性と滑り性を持つ「テフロン(フッ素樹脂)」や、圧倒的な耐摩耗性を誇る「ウレタン」など、各種樹脂製品の取り扱い・加工も得意としています。用途によっては、ゴムよりも樹脂の方が適しているケースも多々あります。
ゴムと樹脂の専門知識で、貴社に最適な素材をご提案
ゴムと樹脂の両方を総合的にご提案できるため、複数の業者に別々に相談する手間を省き、ワンストップで的確な課題解決が可能です。試作開発から量産、急なメンテナンス部品の調達まで、ゴムや樹脂に関するあらゆるご要望に即応いたしますので、ぜひ専門スタッフへお気軽にご相談ください。
まとめ
CSM(ハイパロン)は、日光やオゾンに耐える「耐候性」と、酸やアルカリに強い「耐薬品性」、さらに鮮やかな「着色性」を兼ね備えた非常に優秀な合成ゴムです。防水シートやエスカレーターのハンドレール、ゴムボートなど、屋外や厳しい環境下で私たちの生活を支え続けています。
しかし、低温での硬化やへたりやすさ(圧縮永久歪み)といった弱点もあるため、使用環境を正確に見極め、適材適所で活用することが重要です。素材選びに迷った際や、思い通りの形状への高精度な加工が必要な場合は、ゴムと樹脂の専門知識を持つ株式会社第一の「ゴム加工.com」へぜひご相談ください。最適な提案で、貴社の課題解決をサポートいたします。
企画・設計段階から専門家へ相談


