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ゴム加工.com コラム

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水素化ニトリルゴム(HNBR)とは?特徴や用途を徹底解説

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自動車のエンジン周辺や産業機械の内部など、高温の油に常にさらされる過酷な環境で、ひび割れたり溶けたりしない強靭なゴム素材をご存じでしょうか。それが、油に強いことで知られるニトリルゴム(NBR)をさらに進化させた「水素化ニトリルゴム(HNBR)」です。

「熱や油でゴムのパッキンがすぐにダメになってしまう」「屋外でも長持ちする耐油ゴムを探している」といったお悩みを抱えている方は少なくありません。しかし、用途に合わない素材を選んでしまうと、機械の故障やオイル漏れといった重大なトラブルを引き起こす原因になります。

この記事では、水素化ニトリルゴム(HNBR)の基本的な特徴やメリット・デメリット、具体的な用途を分かりやすく徹底解説します。あわせて、使用環境に適した最適な素材選びのコツと、思い通りの形状に仕上げるための高精度加工のポイントをご紹介していきます。

水素化ニトリルゴム(HNBR)とは?

まずは、水素化ニトリルゴム(HNBR)がどのような素材なのか、その成り立ちとベースとなる素材について解説します。

油に強い「ニトリルゴム(NBR)」をベースにした高機能ゴム

HNBRのベースとなっているのは、一般的な工業製品や日用品にも広く使われている「ニトリルゴム(NBR)」です。NBRは「油に強い(耐油性)」という素晴らしい長所を持つ反面、熱や紫外線、オゾンに弱く、屋外や高温環境ではひび割れ(クラック)などの劣化を起こしやすいという弱点を持っています。このNBRの長所を残しつつ、弱点を補うために開発されたのが「水素化ニトリルゴム(HNBR)」です。

関連記事:NBR(ニトリルゴム)材質とは?特徴や用途、パッキン等への使われ方を解説

「水素化」によって弱点を克服した進化系素材

ゴムが熱や紫外線によって劣化するのは、分子の構造内に「二重結合」と呼ばれるダメージを受けやすい部分が存在するためです。HNBRは、NBRに化学的な処理で「水素(H)」を添加(水素化)し、この二重結合を減らす、あるいは無くすことによって作られます。
これにより、元々の「耐油性」を維持したまま、NBRの弱点であった耐熱性や耐候性を飛躍的に向上させた、まさに「進化系の高機能ゴム」となっています。

水素化ニトリルゴム(HNBR)の主な特徴とメリット

水素化という特殊な処理によって生まれたHNBRには、過酷な環境で頼りになる数多くのメリットがあります。

過酷な環境に耐える「優れた耐熱性」

一般的なNBRの耐熱温度が100℃〜120℃程度であるのに対し、HNBRは最高150℃程度の高温環境でも長期間使用することができます。高温のオイルが循環する自動車のエンジンルーム周辺など、通常のゴムでは熱でカチカチに硬化してしまうような場所でも、しっかりとその弾力を維持します。

NBRの弱点を克服した「高い耐候性・耐オゾン性」

水素化によって分子構造が安定したことで、太陽光(紫外線)や空気中のオゾンに対する耐性が大幅に向上しました。これにより、NBRでは不可能だった「屋外での長期間の使用」が可能となり、直射日光や雨風にさらされる環境下でもひび割れなどの劣化を防ぎます。

強力な「耐油性・耐薬品性」とすり減りにくい「機械的強度」

ベースであるNBRの「油への強さ」をしっかりと引き継いでおり、エンジンオイルや潤滑油に対して優れた耐油性を発揮します。さらに、昨今のオイルに含まれる各種添加剤などの化学物質に対しても強い「耐薬品性」を持っています。
また、引っ張る力(引張強度)や摩擦に対する強さ(耐摩耗性)といった機械的強度も非常に高く、激しく擦れ合う可動部の部品としても極めて優秀です。

水素化ニトリルゴム(HNBR)のデメリットと注意点

性能面では申し分のないHNBRですが、導入にあたっては以下の点に注意が必要です。

製造工程が複雑なため「価格が高価」

HNBR最大のデメリットは「コスト」です。ベースとなるNBRに対して、さらに「水素を添加する」という高度で複雑な製造工程が加わるため、一般的なNBRと比較して価格が非常に高価になります。用途に対してオーバースペックにならないか、コストパフォーマンスを慎重に見極める必要があります。

極端な寒さには弱く、低温で硬化しやすい性質

耐熱性に優れる一方で、極端な寒さには弱いという傾向があります。マイナス数十度といった低温環境下ではゴムが硬化し、パッキンとしての密閉性を失う恐れがあります。
※配合によって低温特性を改善したグレードも存在しますが、基本的には低温が弱点とされています。

水素化ニトリルゴム(HNBR)の主な用途

「高温・油・摩擦」という過酷な条件が揃う場所において、HNBRはその真価を発揮します。

自動車分野:タイミングベルトやエンジン周辺のOリング

自動車のエンジンルーム内は、高温のエンジンオイルや激しい摩擦が発生する過酷な環境です。HNBRは、エンジンの動力を伝える「タイミングベルト」や、オイル漏れを防ぐ「Oリング」「オイルシール」など、高い信頼性が求められる重要保安部品に数多く採用されています。

産業機械分野:高温・高圧で稼働する油圧機器のパッキンやシール材

工場などで稼働する産業機械や建設機械において、強い圧力と高温の油がかかる「油圧シリンダー」のパッキンやシール材としても活躍しています。摩擦に強いため、長期間メンテナンスが難しい箇所の部品寿命を大幅に延ばすことができます。

インフラ・その他の分野:エアコンの冷媒用ガスケット

特定の代替フロンなどの冷媒ガスや、それに伴う冷凍機油に対しても優れた耐性を持つため、カーエアコンや業務用空調設備のガスケット(シール材)など、身近なインフラ設備にも使用されています。

用途に合わせた加工と選び方のポイント

HNBRの性能を最大限に引き出すためには、製品の加工段階での「設計」と「素材選び」が重要です。

環境条件(温度・油の種類・屋外かどうか)とコストのバランス

まずは「本当にHNBRが必要な環境か」を確認しましょう。温度がそれほど高くなく、屋内での使用であれば安価なNBRで十分なケースもあります。逆に、さらに高い耐熱性(200℃以上)が求められる場合は、より高価なフッ素ゴム(FKM)を検討する必要があります。環境条件と予算のバランスを見極めることが失敗しないコツです。

用途に合わせて選べる「ゴムシート」や「ゴム板」

工場のメンテナンスや独自のクッション材として使用したい場合は、好きなサイズにカットして使える「HNBRのゴムシート・ゴム板」が便利です。高機能な耐熱・耐油マットとして、現場の環境改善に役立ちます。

漏れを確実に防ぐ「パッキン・Oリング」の硬度選定

パッキンやOリングとして使用する場合、対象物の材質や締め付ける圧力に応じて、ゴムの「硬度(硬さ)」を適切に選定しなければなりません。硬すぎても柔らかすぎても漏れの原因となるため、使用箇所に合わせた精密な設計が求められます。

HNBRなどの加工や最適な素材選びは株式会社第一の「ゴム加工.com」へ

HNBRをはじめとする高機能ゴムの特性を活かしきるためには、専門的な知識と高度な加工技術が不可欠です。「どの素材を選べばいいか迷っている」「複雑な形状に加工してほしい」といったお悩みは、株式会社第一が運営する「ゴム加工.com」へお任せください。

パッキン、ガスケットからゴムローラまで高精度加工で即応

私たちは、小さなOリングやパッキン、ガスケットをはじめ、工業用のゴムローラ、用途に合わせて使えるゴムシートやゴム板など、様々なゴム製品の加工を手掛けています。寸法の出しにくいゴム素材に対しても、長年培った技術力で「高精度加工」を実現し、お客様の課題に即応いたします。

天然・合成ゴムのあらゆる課題を最適な素材選定から解決

「今の部品が熱と油ですぐに劣化してしまう」といったお悩みに対し、私たちは天然ゴムや各種合成ゴムなど、ゴム関連の素材全般を取り扱っております。お客様の実際の使用環境を丁寧にヒアリングし、HNBRが最適なのか、あるいは他の合成ゴムが良いのか、コストと性能のバランスを見極めた「最適な素材選定」をご提案いたします。

テフロンやウレタンなど、樹脂製品の取り扱いも豊富

当社の対応力はゴム加工だけにとどまりません。さらに過酷な薬品に耐える「テフロン(フッ素樹脂)」や、圧倒的な耐摩耗性を誇る「ウレタン」をはじめとする各種樹脂製品の取り扱いも豊富です。

ゴムと樹脂の専門知識で、貴社に最適な素材をご提案

「ここはゴムではなく樹脂の方が適している」といった場合でも、素材の枠を超えてワンストップで的確なご提案が可能です。ゴムと樹脂の専門知識を活かし、試作から量産、急なメンテナンス部品の調達まで全力でサポートいたしますので、ぜひ「ゴム加工.com」へお気軽にご相談ください。

まとめ

水素化ニトリルゴム(HNBR)は、ニトリルゴム(NBR)の「耐油性」を保ちつつ、弱点であった「耐熱性」や「耐候性」を飛躍的に向上させた非常に優秀な合成ゴムです。高価ではありますが、自動車のエンジン周辺や高温の油圧機器など、絶対にトラブルが許されない過酷な環境で確かな信頼性を発揮します。

環境に合った的確な素材選びと、思い通りの形状に仕上げる高精度な加工こそが、製品の長寿命化の鍵となります。HNBRをはじめとするゴム製品、そして樹脂製品の加工や素材選定でお困りの際は、ぜひ専門家である株式会社第一の「ゴム加工.com」にご相談ください。

企画・設計段階から専門家へ相談

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使用する用途や環境条件に応じて、適切な素材と加工法の選定が求められます。

最適なご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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