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天然ゴム(NR)とは?特徴や用途、合成ゴムとの違いを徹底解説

輪ゴムやタイヤ、作業用手袋など、私たちの生活の最も身近なところで活躍している「天然ゴム(NR)」。古くから人類に利用されてきたこの素材は、他の素材には真似できない抜群の「弾力性」や「伸縮性」を持ち、モノづくりの現場において今なお重要な役割を担っています。
しかし、いざ部品の設計や調達を行う際、「天然ゴムと合成ゴムの違いがよく分からない」「油や熱がかかる環境で天然ゴムを使っていいのだろうか」と迷ってしまうケースは少なくありません。天然ゴムには優れた長所がある反面、特定の環境下では急速に劣化してしまう明確な弱点も存在します。用途に合わない素材を選んでしまうと、早期のひび割れや破損といった深刻なトラブルを招きかねません。
この記事では、「天然ゴム(NR)とは何か?」という基礎知識から、メリット・デメリット、合成ゴムとの明確な違い、そして使用環境に合わせた最適な素材の選び方を分かりやすく解説し、あわせて素材選びの失敗を防ぎ、思い通りの精度と加工を実現するための重要なポイントをご紹介していきます。
天然ゴム(NR)とは?
私たちの身の回りにある天然ゴムですが、そもそもどのように作られ、どのような構造をしているのでしょうか。まずは基本的な成り立ちから解説します。
ゴムの木から採取される樹液(ラテックス)が主原料
天然ゴム(Natural Rubber:略称NR)は、その名の通り自然界の植物から作られるゴムです。主に東南アジアなどで栽培されている「パラゴムノキ」などの樹皮に傷をつけ、そこから分泌される乳白色の樹液(ラテックス)を採取します。このラテックスに凝固剤を加えて固め、乾燥させたものが天然ゴムの原料となります。
抜群の弾力性と引張強度を持つ自然由来の素材
天然ゴムの主成分は「ポリイソプレン」と呼ばれる高分子化合物です。この分子構造が規則正しく並んでいるため、引っ張るとよく伸び、力を抜くと瞬時に元の形に戻るという「優れた弾力性」を生み出しています。
人工的に合成されたゴム素材が数多く存在する現代においても、天然ゴム特有のしなやかさと強度は、多くの産業で重宝されています。
天然ゴム(NR)のメリット
天然ゴムが古くから現在に至るまで、第一線で使われ続けているのには理由があります。ここでは4つの代表的なメリットをご紹介します。
圧倒的な機械的強度
天然ゴムは、引っ張る力に対する「引張強度」や、引き裂きに対する「引裂強度」、そして摩擦に対する「耐摩耗性」において、合成ゴムと比較してもトップクラスの性能を誇ります。大きな負荷や衝撃がかかる過酷な条件下でも、簡単には千切れたり削れたりしません。
優れた伸縮性と弾力性
「ゴムといえばよく伸びる」というイメージの通り、非常に優れた伸縮性を持っています。また、変形させられた状態から元の形に戻ろうとする力(反発弾性)が強く、衝撃を吸収するクッション材としての能力に優れています。
寒さに強い(耐寒性)
一般的なゴム素材は低温になると硬くなり、弾力を失ってしまいますが、天然ゴムは寒さに対する耐性(耐寒性)が比較的高いという特徴があります。マイナス数十度の環境でも柔軟性を保ちやすいため、寒冷地で使用される部品にも適しています。
加工がしやすい
他の配合剤と混ざりやすく、接着性にも優れているため、複雑な形状への成形や加硫(ゴムに弾力を持たせるための加熱処理)がしやすいという大きなメリットがあります。これにより、多様な製品を効率よく製造することが可能です。
天然ゴム(NR)のデメリット
圧倒的な物理的強度を持つ天然ゴムですが、環境に対する耐性には明確な弱点があります。使用する場所によっては早期劣化の原因となるため注意が必要です。
油に弱い
最大の弱点は「油に弱い」ことです。鉱物油やガソリン、機械の潤滑油などに触れると、油を吸収してブヨブヨに膨張(膨潤)し、本来の強度が完全に失われてしまいます。そのため、オイルが飛散する機械周辺や自動車のエンジンルームなどでの使用には適していません。
紫外線やオゾンに弱い
太陽光に含まれる紫外線や、空気中のオゾンにさらされると、分子構造が破壊されて表面に亀裂(クラック)が発生します。長時間屋外に放置された古い輪ゴムが、ボロボロに切れてしまうのはこのためです。屋外で直射日光に当たる環境での長期間の使用には不向きです。
熱に弱い
熱に対する耐性も高くありません。一般的に70℃〜80℃を超える高温環境で連続使用すると、ゴムが軟化してベタベタになったり、逆にカチカチに硬化して弾力を失ったりします。高温になる機械のパッキンなどには別の素材を選ぶ必要があります。
天然ゴムと合成ゴムの違いとは?
ゴム素材を探す際、必ず比較されるのが「合成ゴム」です。両者の違いと使い分けのポイントを解説します。
天然ゴムの弱点を補うために化学的に作られたのが合成ゴム
天然ゴムは樹液から作られる自然由来の素材ですが、合成ゴムは「石油」などを原料として、化学工場で人工的に合成されたゴムです。天然ゴムの持つ「油、熱、紫外線に弱い」という弱点を克服するため、目的に応じて様々な性質を持つ合成ゴムが開発されてきました。
油に強い「ニトリルゴム(NBR)」など機能特化型との比較
例えば、油がかかる環境でシール材を使いたい場合、天然ゴムではすぐに劣化してしまいます。そこで選ばれるのが、油に極めて強い耐性を持つ合成ゴム「ニトリルゴム(NBR)」です。また、屋外で使いたい場合は、紫外線や雨風に強い「エチレンプロピレンゴム(EPDM)」が選ばれます。
「とにかく引っ張りや摩擦への強さ(物理的強度)が必要な場合は天然ゴム」「油や熱、屋外などの特定の環境に耐えたい場合は、その環境に特化した合成ゴム」という基準で素材を選定することが、製品寿命を延ばす鉄則です。
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天然ゴム(NR)の代表的な用途と加工品
長所と短所を踏まえ、天然ゴムは具体的にどのような製品に使用されているのでしょうか。
タイヤや防振ゴムなど「強い力」がかかる部品
高い機械的強度と耐摩耗性が求められる自動車や航空機、重機の「タイヤ」には、天然ゴムが欠かせません(用途に合わせて合成ゴムとブレンドして使用されます)。また、優れた弾力性を活かし、エンジンや機械の振動を吸収する「防振ゴム」や「免震ゴム」としても広く活躍しています。
現場に合わせてカットして使える「ゴムシート・ゴム板」
作業台の保護マットや、床の滑り止め、緩衝材として多用されるのが天然ゴムの「ゴムシート」や「ゴム板」です。カッターなどで必要なサイズに容易にカットできるため、工場からDIYまで幅広く使われる汎用性の高い製品です。
パッキンやOリングとして使用する際の注意点と硬度について
天然ゴムを水回りのパッキンやクッション材として使用する場合、対象物にしっかりと密着するように「硬度(硬さ)」を適切に選ぶことが重要です。ただし、前述の通り「油・熱・直射日光」が関わる箇所でのパッキン・Oリングとしての使用は避け、適した合成ゴムへ変更するように設計段階で注意してください。
天然ゴムなどの加工や素材選びは株式会社第一の「ゴム加工.com」へ
天然ゴムの持つ優れた弾力性や強度を最大限に引き出すためには、使用環境の見極めと確かな加工技術が不可欠です。「どの素材を選べばいいか分からない」「図面通りの精密な部品を作ってほしい」というお悩みは、株式会社第一の「ゴム加工.com」へお任せください。
- 高精度加工で即応:小さなOリングやパッキン、ガスケットをはじめ、工業用のゴムローラ、現場で重宝するゴムシートやゴム板まで、多様なゴム製品の加工を手掛けています。伸縮しやすい天然ゴムに対しても、長年培った技術で高精度な加工を実現し、迅速にお届けします。
- 最適な素材選定:天然ゴムから各種合成ゴムまで、ゴム関連の素材を幅広く取り扱っております。お客様の実際の使用環境(熱、油、屋外など)を丁寧にヒアリングし、「ここは天然ゴムで十分」「この環境ならNBRやEPDMなどの合成ゴムが良い」といった、コストと性能のバランスが最も優れた素材をご提案し、ゴムのあらゆる課題を解決します。
- 樹脂製品の取り扱いも豊富:私たちの対応力はゴムだけにとどまりません。さらに高い耐薬品性を持つ「テフロン(フッ素樹脂)」や、圧倒的な耐摩耗性を誇る「ウレタン」をはじめとする、各種樹脂製品の取り扱いも豊富です。
用途によっては「ゴムではなく樹脂の方が適している」ケースも多々あります。素材の枠を超えた総合的なご提案で、貴社のモノづくりやメンテナンスをワンストップで強力にサポートいたします。ぜひ「ゴム加工.com」へお気軽にご相談ください。
まとめ
天然ゴム(NR)は、ゴムの木から採取される樹液を原料とした、抜群の弾力性と引張強度、耐摩耗性を誇る優れた素材です。タイヤや防振ゴム、作業用マットなど、強い力がかかる場所でその真価を発揮します。
しかし、油や熱、紫外線には弱いため、使用環境によっては合成ゴム(NBRやEPDMなど)を選ぶ必要があります。環境に合わない素材選びは早期トラブルの原因となるため、適材適所の見極めが何よりも重要です。
ゴム素材の選定に迷った際や、高精度な加工部品をお探しの際は、ゴムと樹脂の専門知識を持つ株式会社第一の「ゴム加工.com」へぜひご相談ください。プロフェッショナルな視点で、貴社の課題解決に最適なご提案をいたします。
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