記事公開日
ゴムの種類と特徴を分かりやすく解説!最適な素材の選び方とは?

産業機械のパッキンや配管のガスケット、製品の緩衝材など、あらゆるモノづくりの現場やメンテナンスに欠かせない「ゴム」。しかし、いざ部品の設計や調達を行う際、「天然ゴム」「ニトリルゴム」「シリコーンゴム」などあまりにも多くの種類が存在するため、自社の用途に最適な素材がどれなのか迷ってしまうケースは少なくありません。
この記事では、代表的なゴムの種類とそれぞれの特徴、使用環境に合わせた最適な素材の選び方を分かりやすく解説し、あわせて素材選びの失敗を防ぎ、思い通りの加工を実現するための重要なポイントをご紹介していきます。
ゴムは大きく分けて「天然ゴム」と「合成ゴム」の2種類
市場に流通している無数のゴム素材ですが、その成り立ちから大きく「天然ゴム」と「合成ゴム」の2つのグループに分類することができます。まずはこの大枠の違いを理解することが、素材選びの第一歩となります。
樹液から作られる「天然ゴム(NR)」の基礎知識
天然ゴム(Natural Rubber:略称NR)は、ゴムの木から採取される樹液(ラテックス)を主原料として作られる、古くから存在するゴムです。
引張強度(引っ張る力に対する強さ)や耐摩耗性(擦れへの強さ)、そしてゴム特有の「しなやかな弾力性」において非常に優れています。一方で、熱や紫外線、油には弱く、過酷な環境下では劣化しやすいという弱点を持っています。
用途に合わせて化学的に作られた「合成ゴム」の台頭
天然ゴムの持つ「熱や油に弱い」といった弱点を克服するために、石油などを原料として化学的に人工合成されたのが「合成ゴム」です。
現在では、産業用部品の多くにこの合成ゴムが使用されています。用途に応じて特定の性能(耐油性、耐熱性、耐候性など)を極端に高めた様々な種類が開発されており、使用環境にピンポイントで適合する素材を選ぶことが可能です。
よく使われる代表的なゴムの種類と特徴
ここからは、製造現場やメンテナンスで頻繁に使用される代表的な6種類の合成ゴムについて、それぞれの特徴と強みを解説します。
ニトリルゴム(NBR):油に極めて強い「耐油性」の代表格
ニトリルゴム(NBR)は、鉱物油やガソリンなどの油に対して極めて強い耐性を持つ合成ゴムです。一般的なゴムは油に触れると膨張(膨潤)して劣化してしまいますが、NBRはその影響を受けにくいため、自動車のエンジン周辺のオイルシールや、油圧機器のパッキン・Oリングとして最もポピュラーな素材です。
関連記事:NBR(ニトリルゴム)材質とは?特徴や用途、パッキン等への使われ方を解説
エチレンプロピレンゴム(EPDM):屋外に強い「耐候性」のエキスパート
エチレンプロピレンゴム(EPDM)は、太陽光の紫外線や空気中のオゾン、そして水に対して圧倒的な耐久性を誇ります。屋外に長期間さらされてもひび割れなどの劣化が起きにくいため、窓枠のウェザーストリップや屋根の防水シート、屋外配管のパッキンなどに多用されます。ただし、油には極端に弱いため注意が必要です。
関連記事:EPDMとは?エチレンプロピレンゴムの特徴や用途、選び方を解説
クロロプレンゴム(CR):あらゆる性能を備えた「万能」ゴム
クロロプレンゴム(CR)は、耐候性、耐熱性、耐油性、機械的強度など、あらゆる性能をバランス良く備えた「万能型」の合成ゴムです。「どれを選べばいいか分からないが、ある程度の耐久性が欲しい」といった場面で非常に重宝されます。コンベアベルトや電線の被覆材など、幅広い用途で活躍します。
関連記事:クロロプレンゴム(CR)とは?特徴や用途、選び方をわかりやすく解説!
シリコーンゴム(Q / SI):熱や寒さに強く「安全性」も高い
シリコーンゴムは、200℃を超える高温からマイナス50℃以下の低温まで、過酷な温度変化に耐えうる優れた耐熱性・耐寒性を持っています。また、人体への毒性がなく衛生面で安全であるため、医療用チューブや食品機械のパッキン、身近なキッチングッズなどにも広く利用されています。
関連記事:シリコーンゴム(Q)とは?特徴や用途をわかりやすく解説
ウレタンゴム(U):摩擦に強く「強度と弾力」が抜群
ウレタンゴムは、ゴムの弾力性とプラスチックの硬さを併せ持つ素材です。他のゴムを凌駕する圧倒的な「耐摩耗性(削れにくさ)」と高い機械的強度を誇ります。激しい摩擦が起きる台車のキャスターや、工業用ローラー、高圧がかかる特殊なパッキンなどに選ばれますが、水分による加水分解や熱には弱い点に留意が必要です。
関連記事:ウレタンゴムとは?特徴や用途、他のゴムとの違いを解説
フッ素ゴム(FKM):耐熱・耐薬品性を極めた「最高級」ゴム
フッ素ゴム(FKM)は、耐熱性、耐薬品性、耐油性、耐候性のすべてにおいて最高クラスの性能を発揮する高機能ゴムです。他のゴムでは溶けてしまうような強い薬品や極端な高温環境下でも機能するため、化学工場や航空宇宙産業など、絶対に失敗が許されない過酷な現場で採用されます。性能に比例して価格も高価な素材です。
目的・環境別!失敗しないゴム素材の選び方
ゴムの劣化によるトラブルを防ぐためには、「どこで、どのような物質に触れて使用されるのか」という環境条件を正確に把握することが不可欠です。
ガソリンや潤滑油など「油」に触れる環境での選び方
油が飛散する、あるいは常に油に浸かっている環境では、耐油性が必須です。第一選択肢は「ニトリルゴム(NBR)」となります。さらに高温の油に触れる場合や、より強力な薬品が含まれる油の場合は、より高機能な「フッ素ゴム(FKM)」へのアップグレードを検討します。
紫外線や雨風など「屋外」にさらされる環境での選び方
屋外での使用において、天然ゴムやNBRを使用すると、紫外線とオゾンの影響で短期間でボロボロになってしまいます。屋外用途であれば、耐候性に特化した「エチレンプロピレンゴム(EPDM)」や、バランスの良い「クロロプレンゴム(CR)」を選ぶのが正解です。
熱湯や冷凍庫など「高温・低温」になる過酷な環境での選び方
150℃を超えるような高温の機械周辺や熱湯が通る配管、逆に極端に冷える環境では「シリコーンゴム」が最適です。シリコーンゴムは幅広い温度領域で硬化・軟化せず、安定した性能を維持します。さらに高い耐熱性と耐薬品性が同時に求められる場合は「フッ素ゴム(FKM)」を選定します。
必要な「ゴムの形状(シート・スポンジ等)」と「硬度」の確認
素材の種類だけでなく、「形状」と「硬度(硬さ)」の選定も重要です。隙間を埋めるパッキンであれば、対象物に密着する適切な柔らかさが必要であり、重いものを支える緩衝材であれば、潰れすぎない硬さが求められます。また、ソリッド(中身の詰まったゴム)か、スポンジ(発泡ゴム)かによってもクッション性が大きく変わるため、目的に応じて指定する必要があります。
ゴムの種類や素材選びに迷ったら「ゴム加工.com」(株式会社第一)へ
素材の特性を正しく理解し、自社の課題に最適なゴムを選び抜くには、専門的な知見が欠かせません。素材選びや加工でお困りの際は、株式会社第一が運営する「ゴム加工.com」へお任せください。
パッキン、ガスケットからゴムローラまで高精度加工で即応
私たちは、小さなOリングや配管用ガスケット、精密なパッキンから、工業用のゴムローラ、ゴムシート、ゴム板に至るまで、多様なゴム製品の加工を手掛けています。伸縮しやすく寸法の出しにくいゴム素材に対し、長年培った技術による「高精度加工」を実現。図面通りの正確な部品をスピーディーにお届けします。
天然・合成ゴムのあらゆる課題を素材選定から解決
「今の部品がすぐ劣化してしまう」「どの種類に変えれば長持ちするかわからない」といったお悩みに対し、私たちは素材のプロとしてお応えします。天然ゴムから各種高機能合成ゴムまで幅広く取り扱っており、お客様の使用環境を詳細にヒアリングした上で、コストと性能のバランスが取れた「最適な素材」をご提案し、課題を根本から解決します。
テフロンやウレタンなど、樹脂製品の取り扱いも豊富
私たちの強みはゴムだけにとどまりません。高い耐薬品性と滑り性を持つ「テフロン(フッ素樹脂)」や、圧倒的な耐摩耗性を誇る「ウレタン」をはじめとする各種樹脂製品の取り扱い・加工も得意としています。用途によっては、ゴムではなく樹脂の方が適しているケースも多々あります。
ゴムと樹脂の専門知識で、貴社に最適な素材を提案
素材の枠にとらわれず、ゴムと樹脂の両方を総合的にご提案できるため、複数の業者に相談する手間を省き、より広範囲で的確な課題解決が可能です。試作開発から量産、急なメンテナンス部品の調達まで、あらゆるご要望に即応いたしますので、ぜひ専門スタッフへお気軽にご相談ください。
まとめ
ゴム製品には、古くから使われる天然ゴムと、特定の機能を強化した多様な合成ゴムが存在します。油に強いNBR、屋外に強いEPDM、熱に強いシリコーンゴムなど、それぞれの長所と短所を理解し、使用環境(油、紫外線、温度など)に完全に適合する素材を選ぶことが、製品の品質維持と長寿命化の絶対条件です。
もし「種類が多すぎて選べない」「加工の精度が出ない」とお悩みの場合は、ゴムと樹脂の専門知識を持つ株式会社第一の「ゴム加工.com」へご相談ください。最適な素材選定から高精度な加工まで、貴社のモノづくりを強力にサポートいたします。
企画・設計段階から専門家へ相談


